観劇・元禄港歌‐千年の恋の森‐(大阪 シアターBRAVA!)

d0049152_1349344.jpg美しい宮沢りえさんを見たいなと思ったのが、チケット購入のきっかけでした。
蜷川幸雄氏演出、市川猿之介さんが女形で座頭の公演です。
購入席が2階だったので、残念ながら宮沢りえさん・市川猿之介さんの美しさが十分には分かりませんでした。次は必ず1階の前の方で見たいものです。
しかし、見応えのある良い公演でした。




『元禄港歌‐千年の恋の森‐』は、作:秋元松代×演出:の初タッグとなった舞台『近松心中物語』の大成功から1年後の1980年に誕生し、多くの観客に愛され、上演を重ねてきた傑作舞台。今回も芸術監督・蜷川幸雄氏で初演から36年ぶりに再演された。

美しい場面の数々があった。
舞台全体を覆う寒椿の枝葉と花。椿の花がポトリポトリと降り続ける。これは、人の鼓動・時を刻むリズムと重ねているのだろうか。
元禄の時代、播州の活気ある港を生きる人々・廻船問屋の大店「筑前屋」にまつわる人・町から町へと流れ三味線弾きを生業とする瞽女の一行・迫害される念仏信者たちが交錯する。衣裳も美しい。
舞台に描かれた大店筑前屋では、紗幕が効果的に使われ、建物の奥行きの深さ・大きさが感じられた。

豪華キャスト各々が最善を尽くし演じられていた。
市川猿之助:流しで三味線を弾きながら各地を転々とする瞽女(盲目の女芸人)の“母親”として、女たちを守り、導きながら必死に暮らしている【糸栄】。ある角度からみるととても美しかった。
宮沢りえ:幼いころ親と別れ、糸栄の長女として育てられた【初音】。幼少の頃から慕っていた信助と恋に落ちる。
高橋一生:大店の次男で放蕩息子【万次郎】。軽々しい人間をとても上手く演じていた。
鈴木杏:逆境にも関わらず天真爛漫に育ち、万次郎との身分違いの恋に悩む初音の妹【歌春】。
段田安則:大店の長男として育ち、哀しい運命に翻弄される【信助】。自身の出自への拭いようのない疑い、家族への複雑な想い初音との心揺さぶられる再会、糸栄への溢れる心情を演じる。生母を慕う心情が哀れで切なかった。
新橋耐子:大店を取り仕切る女将の【お浜】。人間の業を迫力を持って演じられた。
市川猿弥:大店筑前屋の主人【平兵衛】。

【音楽】猪俣公章、【歌】美空ひばりによる、むせび泣くような魂を震わせる劇中歌を聞き、肉体は滅んでも歌声は生き続けると感じた。

「葛の葉子別れ」、千年の森の奥から恋しい男のため白狐となり逢いに来た女が、人里の男を恋した罰に生まれたばかりの子と別れて再び森に帰らねばならぬという悲しい物語をモチーフにされており、最初と最後の辻村寿三郎の白狐の躍動も美しい。
巡り会えた男と女、母と子は千年の森へとかえっていくという演出。

もう一度蜷川作品を見られて良かったと思う。
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by nori_bura | 2016-02-07 14:00 | 関西ぶらり(大阪)
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